私は真正面に座っているM・Tが憮然とした態度で飯を食べているのが気掛かりだった。
 M・Tはここのところ少食になってきているような気がしたからだ。
 言葉には出さずとも、私にはM・Tの心境は何となく理解しているつもりだ。社会からドロップアウトした自分達如きのような人間が贅沢を言えるような身の程ではないにせよ、こうも立て続けに毎日質素な食事ばかり出されているとたまったものではない。
 ここのところ、やたらと玄米ばかり食わされている。その玄米特有のパサパサとした食感もまた、二人の食欲不振に拍車を掛けているに違いない。それでも栄養価が高いと言う理由から道場では積極的にメニューに取り込んでいるらしいかった。私も空腹のあまり我慢して無理矢理口にかきこんでいたが、さすがにそろそろ白米が恋しくなってきた頃だ。
「今日のM・T君、元気ない」
 N・K夫人もM・Tの異変に気付いていたようだ。
「M・Tも玄米、飽きたんだろ。そりゃそうだ。毎日毎日玄米で。もう俺は玄米なんて沢山だよ。このままだとそのうち頭まで玄米になっちまう」
 いつもなら不平不満が主なN・Tの言動に「我慢しろ」の一言で諌めるのだが、相変わらずM・Tは箸をおいて沈黙を貫き通すばかりだ。どうやら原因は他にもあるようだ。屋根塗装 見積もり